対談 理科の王国

理科の王国

-枚方市-

:「理科の王国」って何でしょう?
吉田一寛さん(Yで表記)

:子どもたちの身の回りの実物にはサイエンスが隠れている。例えば、黒板とチョーク。なんでチョークで書けるの?と考える。「理科の王国」というサイエンスの空間で、普段の学校を全然違う視点でとらえる試みです。
たとえば、このプロジェクトに最初から参加頂いている川崎重工さんからは、毎年多くのエンジニアが参加します。船を工作していたら、そこで本物が船の魅力を話してくれるのです。子どもたちと一緒に工作や実験を楽しみながら、未来の社会を子どもも企業も考えることが趣旨です。
今回は大企業も中小企業も大学にも協力してもらって枚方市の魅力を感じてもらえるよう企画しました。

:KEC教育グループが協力されていますね?
:教育されながら人材育成もされているのが魅力です。
木村剛さん(Kで表記)
:人材育成するために教育がいるというだけの話。「理科の王国」に限らず、自分たちで考えて問題解決をしていく、それを受験を通じてさせているんです。物事が「こうなるんじゃないか」という考察をたてて、実験した結果「違ったな」、「うまくいったな」と工夫をすることに文系・理系は関係なく、理科的思考と最後までやり通す力。受験であったり理科の実験であったりを通して身についていったらいいなと思っています。

:当日はどんなことを?
:最先端科学もあれば、地域に根ざした科学もある。我々がこだわっているのは“企業の現役エンジニアが必ず来てくれる”っていう点です。当日参加してもらって楽しめるコンテンツも用意されています。KECさんには楽しみながらサイエンスが体験できるマジックショーをしていただけます。楽しんでやれたら興味を持つ。現場で子どもたちにやってもらい、それを大人たちが見ながら一緒に「なんでだろう?」って意識できるといいですね。これからの子どもたちも、企業も課題発見と課題解決が重要。そこの原体験にあるものは「なんで?」って不思議だけなんですよ。
:ほんと大事なのは実体験ですよね。子どもたちが色んなことをどれだけ小さい頃に体験しているか、これがものすごく大きいと思います。例えばお母さんが子どもに「虹が七色に見えるのはなんでなんだろう?」と投げかけたとします。そこで子どもが「なんでかな?」と思った瞬間をうまくとらえる。例えば一緒に図鑑を読んでみるとか、そういったことを積み重ねているかどうかで差はあると思います。子どもたちが、楽しく、元気に将来生きていけるようになるには、いろんな仕事を知っていく機会があればいいですね。

:子どもたちが興味を持ってくれるかどうかがポイントですね。
:実は子どもの前に立つのはプレッシャーなんですよ。スタッフには「ほんとに興味を持って10年後、20年後にこの子たちと一緒に研究や開発ができるんですか?そこに責任持ってください」と伝えています。もし「これ面白いぞ」って、言うのだったら、20年後には、実際に面白いものをちゃんと造って待っててくださいよ」って。未来への準備段階を子どもたちに話す事が大人からのメッセージです。今、僕はこんな研究してるよ、こんなことに向かってるよって。エンジニアの生の声を聴くことで、子どもたちが夢を描く。「理科の王国」は未来の自分を見る場所なんですよ。