枚方市で音楽の裾野を広げるコンクールを開催
都築祥子さん(46)
7月25日、枚方市市民会館大ホールで「第1回枚方ピアノコンクール」が開催される。主催の豊田音楽コンクール事務局代表・都築祥子さんは、「コンクールはステージに出るだけで素晴らしい。賞を目指して練習に励んできた出場者全員を心からたたえてあげたい」と、開催に向けて抱負を語る。
都築さんは、以前から、名のあるコンクールの裏方を数多く経験して、表彰状を受け喜色満面の入賞者と、同じ舞台に立ちながら選外になった子どもたちの両極端の姿を見てきた。賞状を手にすることなく舞台を下りる屈辱感。「もうコンクールには出たくない」と傷ついた様子でつぶやく子もいた。入賞を目指して懸命に練習したにもかかわらず努力が認められず、自信を無くす。ピアノ教室の先生でもある都築さんは、「発表会とコンクールは違う。習い事で始めたピアノでも目標がないと、鍵盤から遠ざかる」と演奏者の心に寄り添う。自分で奏でる音楽は、人生を豊かに彩るのだから…。
すべての人に表彰状を
都築さんは、2010年から愛知県豊田市で「豊田音楽コンクール」を例年開催してきた。音楽の学習者、指導者の技術と意欲の向上を目的にピアノコンクールを7回、声楽、バイオリンコンクールを各4回、フリーパフォーマンスフェスを1回、来年からは歌謡曲部門も開設する。すべての音楽の裾野を広げる目的で、年齢を問わず老若男女の誰もが参加できるのが魅力。だが、コンクール審査は各界で著名な先生が評価するので毎回参加者数が増えている。<br>
結婚して豊田市に住む都築さんは枚方市出身。今回の開催動機は、「ふるさとでのピアノコンクールを通じて、音楽、文化の発展と向上、交流人口の拡大、現建物の市民会館の有終の美にすこしでも貢献したい」と語る。大好きな出身地には思い入れもひとしおだ。誰もが笑顔輝く舞台が待っている。