密集、密閉、密接を回避して、自然と屋外に出る機会が激減した。原稿執筆や編集作業は、下界が沈静化している分、無駄な行動を制限でき、テレワークを実感。普段おろそかにしていた身の回りの暮らしを見つめなおす時間が増えたのは、予想外の収穫だ。
アルバム、手紙、自作の雑文など、独身時代からの過去の自分と再会するという恩恵に浴している。なかでも、子育て時代に書いた幾多の文章に目頭が熱くなった。未熟な自分を育ててくれたのは、他ならない我が子たちだったのだと自覚。
子たちと過ごした濃密な時間を思い起こしながら、不安を抱えながらも、つかの間の幸福感で、我が生を祝うことにした。
(安)