第340号 編集後記
今年ほど、秋の到来を待ち遠しく思ったことはない。真夏の太陽が大好きだったのはいつ頃までだっただろう。青空を仰ぎ見て闊歩した道や風景がはるか遠くに色あせていく。インドの人生論の四住期でいえば、今の自分は林住期。「仕事や家庭…
今年ほど、秋の到来を待ち遠しく思ったことはない。真夏の太陽が大好きだったのはいつ頃までだっただろう。青空を仰ぎ見て闊歩した道や風景がはるか遠くに色あせていく。インドの人生論の四住期でいえば、今の自分は林住期。「仕事や家庭…
樹木希林さんの訃報が伝わってから、落ち着かない日々が続いた。普段なら気にも留めない些細なことに執着してみたり、ふと、縁のあった数多の人たちのことを思い起こしたり、どうも心が安定しない。樹木さんとの出会いは、5年前、「森繁…
著作本、行動すべてが魅力的でこの方の病院を訪ねたいと思っていた。デスク原稿締め切り間際、パソコンにその方の講演会案内メールがきた。千載一遇とばかり、迫る仕事を振り切り、取材を名目に大阪市内の講演会場に駆け込んだ。長野県の…
儀礼的に使っている夏の「お見舞い」のあいさつ。今夏ほど身に染みたことはない。連日の気温上昇で、とうとう「災害級」というありがたくないレッテルまで張られた。数年前の夏。室内にいて、熱中症になることを、亡母から学んだ。母は、…
直下型地震特有の地球の底からドンと突き上げられる感覚。身体全体が浮きあがるような大地の激しい怒り。23年経っても、身体は正直だ。一瞬にして恐怖が蘇り、阪神淡路大震災の早朝に連れ戻された。震度は比較にならないが、ニューステ…
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の影響力は大きい。 日大のアメフト事件では、正義感を共有する投稿が噴出。大学ブランドにまで問題は波及した。 障害を持つ娘の日常を綴るブログ発信が良質なインクルージョンにつな…
日本語文化は、奥が深い。自分を表現するだけでも「わたし ・わたくし・拙者 ・ 小生 ・ 自分 ・ 朕 ・ それがし ・ わっち ・ おいどん ・ 俺・おれっち・ おいら ・ 手前 ・ 我輩 ・ 余 ・ ボク ・ 身ども …
本や新聞、はてはチラシのたぐいに至るまで、ひっかる文章や言葉に出会うと、紙のきれっぱしに書き留める癖がある。 適当な紙が見当たらない時は、iPadに写し記録することさえある。かといって、これらの文言をまとめて整理して残す…
連続立体交差事業の取材をしていて、未知の言葉に出会った。 駅の踏切や駅ホームなど、駅に関する話の流れから、思い込みと浅はかな知恵でメモった字の間違いを市の都市整備部担当者に指摘されたのだ。 便駅ではなくて、便益だという。…
弊紙創刊は1990年。その前年、1989年は昭和最後の年の昭和64年だが、1月1日~1月7日までの7日間のみで、昭和64年1月7日は存在するが昭和64年1月8日は存在しないことになる。何ともはや、ややこしい。役所や金融機…