本や新聞、はてはチラシのたぐいに至るまで、ひっかる文章や言葉に出会うと、紙のきれっぱしに書き留める癖がある。
適当な紙が見当たらない時は、iPadに写し記録することさえある。かといって、これらの文言をまとめて整理して残すという几帳面さはない。
過去の自分と今の自分とは確実に心変わりをしているのだから、惹句も風化する。だが、たまに以前のメモなどを見ると、別の自分の内面を覗くような不思議な感覚に陥る。と、机の片隅でメモを見つけた。
「眼に見えるものばかりにかかずらっていると、目に見えないものから心が逸れてしまう」とあった。
心の居場所を探し続ける、こんな作業がこれからも続くだろう。
(安)