第388号 編集後記

山藍摺(やまあいずり)。青でもない緑でもないこの微妙なニュアンスの色が好き。
友人から贈られた和紙の色見本帳は大切な宝物だ。和紙問屋で勤めて自作の「にほんのいろ」を編集した彼女との付き合いは、
つかず離れずの約半世紀以上。高校時代は特に親しいわけではなかったが彼女の文章が好きだった。
その箱底に彼女の手紙をみつけた。なぜ今まで気が付かなかったのだろう。
彼女からもらった字や手紙に惚れているのだと改めて感じ入った秋の日。
空の青が美しい。

(安)