第353号 編集後記

4月、ノートルダム大聖堂が炎上した。聖母マリアを称えるパリ司教によって、200年かけて建てられたゴシック建築の最高峰の粋を極めた美だった。
10月、首里城の正殿、北殿、南殿が全焼した。首里城は琉球王朝の王家の居城だった。1879年に、日本政府の琉球処分を受けて政府の統治下にあり太平洋戦争中、アメリカの砲撃を受けて焼失した。その後、多くの人々の努力により復元され首里城の一部が世界遺産に登録された。幾多の運命に翻弄され焼失を繰り返してきた首里城。内部も含め30数年にわたる復元作業が、今年、2月に、ようやく完了したばかりだった。
(安)