事務所を自宅に移転したのは4年前。殺風景なビルの一室は煩わしさがなく、それなりに自由で快適な空間であった。
20年近くの年月、苦楽を共にした職場には愛着もあった。
「走り続けて前着いてドン」をモットーにしていたが、健康寿命と仕事年齢とを天秤にかけると不安。限界まで仕事を続けるために、自宅を事務所にして足元を固めた。
通勤時間の解消で心に余裕が生まれ、風化していた地元愛が戻った。地域拠点での新たな発想も芽生えてきた。何よりも移転後の台風に改装した我が家は難を逃れた。
そして、まさかのパンデミック。リモートワークの働き方改革の幸運に感謝しつつ仕事をしている。
(安)